その使い方大丈夫?スポンジブラシの正しい使い方

2023.01

介護の現場での口腔ケア時の必須アイテム「スポンジブラシ」。
スポンジブラシを使用するとお口の中を優しくケアでき、とても便利なアイテムです。
でも、スポンジブラシを正しく使えていますか?今回はスポンジブラシの使い方をご紹介します。

スポンジブラシを正しく使って、気持ちのいい口腔ケアを提供しましょう。

いまさら聞けない、スポンジブラシとは?

介護の現場で口腔ケアを行っている介護士さんにとって、とっても便利なアイテムが「スポンジブラシ」です。
そもそも「スポンジブラシ」とはどんなものでしょうか。

名前の通り、ブラシの先がスポンジになっている口腔ケアアイテムで、口腔内の粘膜のお掃除に適しています。
先端についているスポンジの形や大きさは様々で、利用者に合わせて選ぶことができます。

スポンジの形にはお花の形などの溝のあるものや、楕円形で溝がないものがあります。また、スポンジの硬さも様々で、密度の高いものだと硬く、密度の低いものは柔らかいといった特徴があります。
粘膜が弱っている人には柔らかめ、お口をなかなか開けられない人には小さいサイズのスポンジブラシを選んで、快適な口腔ケアを提供しましょう。

スポンジブラシの軸の部分は、紙でできているものとプラスチック製の2種類があり、プラスチック軸は紙でできている軸に比べて、水に強く耐摩耗性に優れていて軸が折れにくくなっています。また、弾力性もあるので、適度な圧力をかけて口腔粘膜の清掃がしやすくなっています。ただ、プラスチック軸は紙でできたものより価格が高いため、長期的に口腔ケアを行う場合は少し負担を感じるかもしれません。
スポンジブラシは介護用品の取扱店やドラッグストアなどで購入することができます。

スポンジブラシはこんな時に大活躍!

スポンジブラシは基本的に、口腔内の粘膜を掃除する際に最適なアイテムです。

先端のスポンジにより、粘膜についた食べ物の残りかすや汚れを効率よく絡めとることができるので、自身でお口のケアがなかなか難しい方にとっても、スポンジブラシは使い勝手のよいアイテムと言えます。

また、口腔内の清掃のみならず、口腔粘膜のマッサージに使用したり、舌についた汚れや「舌苔(ぜったい)」を除去するのにも適しています。
先端がスポンジでできているので、粘膜を傷つけにくく、特に舌ブラシを使用すると嘔吐反射が出てしまう方にはスポンジブラシを使用することをお勧めします。舌ブラシは硬いため嘔吐反射が出やすくなります。柔らかいスポンジブラシを使用することで嘔吐反射が出にくくなるとともに、舌に異物をのせるという練習にもなります。

指では届きにくいお口の奥の方の汚れも取りやすいため、利用者の介護の度合いに関わらず、幅広く介護の現場で使用されています。
寝たきりの方や認知症の方、体に麻痺のある方などは、口腔内に食べ物の残りかすが残っていることが多く、口腔内を清潔に保つことが困難な場合があります。歯磨きをする前にスポンジブラシで大まかな汚れを取ることでブラッシングの時間を短縮できたり、口腔ケアの質を高めることにも繋がるため、ぜひ使用してみてください。

スポンジブラシの正しい使い方

まずはコップに水を用意しましょう。これはスポンジ部分に含ませるための水です。

スポンジブラシは使用中にスポンジが軸から外れることがあります。スポンジ部分が軸としっかりとついているか、外れないかを事前に確認しておきましょう。

手順1

使用前にスポンジ部分を湿らせます。
事前に用意したコップの水にスポンジを入れ湿らせます。そして水分を適度に絞ります。水分が多いとお口の中に残ってしまい、誤嚥性肺炎の発症の原因になりますので注意が必要です。

手順2

お口の中の粘膜を掃除していきます。
スポンジブラシの凸凹の部分を回転させながら使用します。
上あごから歯茎、頬の粘膜の汚れをスポンジブラシを回転させながら拭っていきます。
その際、お口を大きく開けすぎると頬と歯肉との間にスポンジブラシが入りにくくなりますので、口は軽く開けてもらうだけで大丈夫です。

ここでのポイントはスポンジブラシの動かし方です。
頬側(外側)から歯肉(内側)にかけて動かすということ。そして、奥から手前に動かすということです。
歯ブラシのように小刻みに動かすのではなく、クルクルと回しながら粘膜の汚れを拭き取っていきます。奥から手前を繰り返します。スポンジが汚れていたらその都度、ティッシュペーパーなどで取り除きます。

口腔ケアが終わったら、スポンジブラシのスポンジは交換します。
あまり汚れていないからまだ使えるのかなと思うかもしれませんが、基本的にはスポンジブラシのスポンジは使い捨てになります。
見た目は汚れていないかもしれませんが、目に見えない細菌などが付着していますので、それらの菌が利用者の口腔内に入りこんでしまうと、細菌感染を引き起こし、誤嚥性肺炎といった病気の発症につながる可能性もあります。
スポンジブラシの再利用、他の人との共有といった使い方は絶対しないようにしましょう。

まとめ

今回は、介護の現場で大活躍のアイテム「スポンジブラシ」の使い方についてまとめました。

要介護の方の口腔ケアはとても大切なことです。
自身でケアをすることが難しくなると、口腔ケアは疎かになりがちです。そうなると歯周病を発症したり細菌感染を起こしたりと思いもよらない結果になりかねません。
スポンジブラシを正しく使い、口内トラブルを予防していきましょう。