口の乾燥対策には保湿ジェルを活用しよう

2023.10

高齢者や持病のある方の多くが、口の乾燥に悩んでいるといわれています。
要介護者に快適に過ごしてもらうために、保湿ジェルで口の乾燥対策を行うことがおすすめです。

今回は、保湿ジェルの特徴や使い方などについて分かりやすく紹介します。

保湿ジェルとは?

保湿ジェルとは、舌や口などの渇きを潤してくれるアイテムのことです。

保湿剤は大きくジェルタイプ、スプレータイプ、洗口液タイプに分類が可能で、なかでもジェルタイプは他の種類よりも持続時間が長いというメリットがあります。

そのため、外出前や就寝前など頻繁に乾燥対策ができない場合に活躍します。さらに乾燥対策だけでなく、うがいができないときの口腔内の清掃時にも利用でき、要介護者の生活の質の向上につなげられる点が魅力的です。

保湿ジェルのおすすめの使い方

保湿ジェルは、歯磨きの前後の使用がおすすめです。それぞれについて使い方をみていきましょう。

歯磨きの前

歯磨きの前に口腔が乾燥していると、ケアで粘膜が傷つく可能性があります。お口の乾燥が気になる場合や要介護者がケアを嫌がる場合に、保湿ジェルを活用してみてください。

保湿ジェルを使うタイミングは、うがいと歯磨きの間がおすすめです。半介助や全介助などでうがいが難しいときは、水で濡らした口腔用スポンジブラシで食べ物のカスを綺麗にしておきましょう。

その後、保湿ジェルを指に取り、口内や舌に適量を薄く広げるように塗っていきます。指ではなく、口腔用スポンジブラシに保湿ジェルを塗ってケアに利用する方法もおすすめです。

歯磨きの後

歯磨きの後に保湿ジェルによるケアを実施すると、その後の乾燥対策につなげられます。歯磨きや口腔内ケア、うがいによって口腔が綺麗になったタイミングで実施しましょう。

なお保湿ジェルを重ねて塗ると、痰が閉じ込められてしまい、感染症につながる恐れがあります。もし歯磨きの前の保湿ジェルが残っている場合には、綺麗に除去してから保湿ジェルを薄く塗るとよいでしょう。

余分なジェルは吐き出したり、軽く拭き取ったりします。要介護者とコミュニケーションを取りながら行うと、丁寧なケアにつながります。

保湿ジェルの選び方

乾燥対策の保湿ジェルのおすすめの選び方をまとめてみました。

なるべく固まりにくいアイテムを選ぶ

保湿ジェルは構造上、乾燥したジェルがフィルム上になって固まりやすい性質です。そのためジェルを取り除く時間が手間になったり、固まったジェルを誤嚥したりするリスクがあります。

商品を選ぶ際には、保湿ジェルのなかでも、固まりにくいように工夫された商品を選ぶとよいでしょう。

配合成分で選ぶ

保湿ジェルは口に入れるため、お口にやさしい成分が使われている保湿ジェルかどうかを確認しておきましょう。

配合成分はパッケージ裏やホームページなどで公開されています。入っている成分がよく分からない、余計な添加物が多い保湿ジェルは避けたほうがよいでしょう。乾燥対策を重視する場合は、保湿成分のヒアルロン酸が配合されている商品がおすすめです。

要介護者の好きな味を選ぶ

要介護者の味の好みを確認し、受け入れやすそうな味の保湿ジェルを選ぶことも大切です。乾燥対策やケアの時間が楽しみになるような工夫をすると、乾燥予防にも積極的に協力してくれるようになります。

甘い味が好きな人にはハニーレモン味、さっぱりした風味が好みであればミント味などがおすすめです。味選びに悩む際には複数の味を用意しておき、要介護者の気分で使い分けてみてはいかがでしょうか。

保湿ジェルを使う際の注意点とは?

保湿ジェルを使う際の注意点について紹介します。

誤嚥しないように見守る

少量を飲み込んでも問題のない保湿ジェルが大半ですが、大量に飲み込んでしまったなど、不安になったときはドクターの診療を受けてください。

また誤嚥を防ぐためにもなるべく少量のジェルを薄く塗布するようにする、初めて利用する際はしばらく側で様子をみるなどの対策をとりましょう。

要介護者の状態に適した保湿剤を使う

口の乾燥の程度や要介護者の状態によって、利用する保湿剤を見直すことをおすすめします。保湿剤にはそれぞれ特徴があり、メリットやデメリットが異なるものです。

例えば口の乾燥状態が軽度であり、自分でうがいできる人は保湿ジェルよりも洗口液タイプのほうが膜状になる心配が少なく、より効果を感じられるでしょう。

定期的に乾燥対策を見直し、その方にあった保湿剤を活用してみてください。

まとめ

保湿ジェルは、口の乾燥対策に非常に有効的です。おすすめした使い方を参考にして、お口に潤いを与えていきましょう。

要介護者の状態に合わせた保湿ケアは、その方の質の高い生活をサポートできます。ぜひ、日々のケアに保湿ジェルを取り入れてみましょう。