歯科医院での口腔ケアと日常的なケアの違いとは?

2023.05

口腔ケアは、介護者にとって非常に大切であることはご存知でしょうか?
日常的なケアを行いつつも、歯科医院や訪問歯科にて口腔ケアを行うのが望ましいとされています。
歯科医院での口腔ケアと日常的なケアについて、どのような違いがあるのでしょう。
今回は歯科医院での口腔ケアと日常的なケアについてご紹介していきます。

そもそも口腔ケアとは?

口腔ケアとは、

  • 器質的口腔ケア…口の中を清潔に保つためにするケア
  • 機能的口腔ケア…口の動きを維持、回復を目的としたケア

のことです。
要介護高齢者の口腔ケアは高齢化が進む日本で、ますます大切になってきています。
口腔ケアを行うことで、むし歯や歯周病の予防、認知症の改善などの効果が期待できます。日常的に行っている歯磨きも、広義の意味では口腔ケアといえるでしょう。

口腔ケアを大切にすると健康寿命が伸び、要介護者の方の「生活の質」の向上につながっていきます。

歯科医院での口腔ケアと日常的なケアの違い

口腔ケアが大切なことは分かっていても、歯科医院に通院するのか、訪問歯科を受けたほうがよいのか悩む介護者も少なくありません。日常的なケアを丁寧に行っているので問題ないと考える方もいるでしょう。
次に、なぜ歯科医院での口腔ケアが必要なのか、その理由をご紹介します。

むし歯や歯周病の早期発見

例えば高齢者に多い歯周病は、ご本人の自覚症状がないまま進行するケースが大半です。日常的なケアだけでは歯周病に気がつかず、歯を失う結果となるかもしれません。
しかし、歯科医院での口腔ケアは単に口腔内を清潔にするだけでなく、むし歯や歯周病がないかなどプロの視点で様々な確認を行います。そのため、日常的なケアでは気がつかない初期のむし歯を見つけることができ、早期治療にもつながります。
長く自分の歯で食事や会話を楽しむためにも、歯科医院での口腔ケアが必要なのです。

予防歯科につながる

歯科医院での口腔ケアは予防歯科につながります。予防歯科とは、口腔内の異常が出る前に予防をすることです。
予防歯科では口腔清掃だけでなく

  • 歯石のケア
  • 入れ歯の調整や修理、お手入れ

などが行われます。
とくに入れ歯は不具合が出てしまうと

  • 痛み
  • コミュニケーションがとりにくい
  • 気分が落ち込む

など、日常生活にも影響があります。入れ歯のトラブルは日常的なケアだけでは気がつきにくいため、歯科医院での口腔ケアを受けておいた方がよいでしょう。

歯科医院と訪問歯科の違い

歯科医院に行くのが難しい要介護者の方は、訪問歯科を利用する方法もあります。訪問歯科とは、寝たきりや歩行困難な要介護者のもとにドクターや歯科衛生士が訪れて、口腔ケアや診察を行うことです。

歯科医院と訪問歯科の口腔ケアに大きな違いはありません。訪問歯科の場合にも、持ち運びできる医療機器で、口腔に異常がないかしっかり確認できます。
口腔機能のリハビリテーションを兼ねた取り組みが行われ、日常の口腔ケアに対するアドバイスを聞くこともできます。
通院困難な状態であっても、訪問歯科で適切な口腔ケアが受けられるため、通院できないからと諦めず、お近くの歯科医院で訪問歯科を行っていないか一度確認してみることをおすすめします。

日常的な口腔ケアを見直す

歯科医院での口腔ケアは非常に大切ですが、毎日実施するのは難しいものです。そのため、日常的なケアでいかに口腔内をよい状態に保つかも大切なポイントです。

しかし口腔ケアが苦手で嫌がったり、面倒な素振りを見せたりする要介護者も少なくありません。また介護者や介護スタッフの中にも、口腔ケアに苦手意識を持っている方も多いです。
歯科医院のアドバイスを受けながら正しい口腔ケアを行うのはもちろんのこと、日々のケアに便利な口腔ケアアイテムを取り入れるなど工夫してみましょう。

例えば、口腔保湿ジェルを口腔ケアにプラスすることで、口腔内の乾燥や口臭を予防し、快適な口腔環境を目指せます。垂れにくく使用しやすい口腔保湿ジェルであれば、口腔ケアは苦手という介護者でも使いやすいでしょう。
また、口腔スポンジブラシを適切に使うことで、食べカスや口腔のベタベタした汚れもとりやすくなります。

介護者の負担を減らせば、要介護者にとっても口腔ケアは快適な時間になるかもしれません。日常的な口腔ケアを楽しい時間にして、スムーズに歯科医院での口腔ケアにつなげてみてください。

まとめ

歯科医院での口腔ケアでは、日常的なケアでは気がつかないような異常や、大切な歯を守る予防歯科が可能です。毎日の口腔ケアに加えて、歯科医院や訪問歯科を利用するとよいでしょう。

ただし日常的なケアも、要介護者の生活の質を守るために大切です。ドクターに最適なやり方を相談したり、使いやすいアイテムをプラスしたりして、要介護者も介護者も笑顔で口腔ケアができるように努めてみてください。