高齢者のむし歯ケア、どのようなアイテムがありますか?
2023.09
年齢を重ねると、従来のむし歯ケアアイテムだけでは物足りなく感じる人が少なくありません。
さらに自宅で介護をしている方の中には、今使用しているむし歯ケアアイテムでむし歯を防げているのか不安に感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、高齢者向けの主なむし歯ケアアイテムをご紹介しますので、アイテム選びの参考にしてください。
高齢者のむし歯ケアに使われる主なアイテムをご紹介
むし歯ケアには歯をみがくだけでなく、乾燥を防いだり、舌の汚れを取ったりするアイテムの使用も大切です。
ここでは、高齢者のむし歯ケアに使われる主なアイテムと選び方を解説します。
歯ブラシ
歯ブラシは、歯をみがく際に広く利用されている基本のアイテムです。普段から取り入れている方も多いと思いますが、高齢者に歯ブラシを用意する際は、以下の4つのポイントを意識しましょう。
- 毛先が柔らかいかどうか
- 小回りの利くサイズかどうか
- 毛先が平らかどうか
- 持ち手部分が持ちやすいかどうか
毛先が柔らかいかどうか
高齢者は歯ぐきや歯のエナメルが弱くなっているため、傷つけないようになるべく柔らかい毛先の歯ブラシを選ぶとよいでしょう。
小回りの利くサイズかどうか
毛先は小回りの利く小さめの歯ブラシがおすすめです。口の隅々まで毛先が届き、むし歯予防につながります。
毛先が平らかどうか
山型の毛先よりも平らな歯ブラシのほうが毛先が広がりにくいといわれています。すぐに毛が寝てしまう方は、毛先が平らな歯ブラシを探すようにしてみましょう。
持ち手部分が持ちやすいかどうか
持ち手の部分が太くて、まっすぐの歯ブラシは、握力が弱い高齢者でも持ちやすいといわれています。力が入りにくく歯みがきに負担を感じる方は、電動歯ブラシを利用する方法も検討してみましょう。
歯間ブラシ
歯間ブラシは、歯ブラシだけでは取りきれない歯のすき間や入れ歯の金具の部分などの汚れを取り除きます。形は主に2種類あり、前歯の汚れを取り除くI字型、奥歯に使えるL字形です。
ブラシ部分の大きさは小さいものから大きいものまで、メーカーによって様々なサイズが用意されています。歯と歯の間にあったサイズが分からないときは、歯科医師や歯科衛生士の方に相談してみましょう。
舌ブラシ
高齢者の舌が白く見えているときは、舌ブラシを使って舌のケアを行っていきましょう。舌の汚れは、むし歯や口臭の原因になるといわれています。高齢者は舌苔が増えやすい傾向にあり、適切なケアが必要です。
舌はデリケートな部分のため、歯ブラシではなく毛先がしなやかで柔らかい舌ブラシを使用しましょう。舌ブラシを利用する際は、保湿ジェルや湿らせたガーゼを使って保湿し、少しずつ舌苔を除去していきます。
歯みがき剤
むし歯をケアするためには、フッ素配合の歯みがき剤がおすすめです。フッ素は高齢者の根面むし歯に効果があると報告されていて、積極的に取り入れるようにしてください。
さらにうがいが難しい要介護者や認知症の高齢者が使うときは、以下のような歯みがき剤は避けましょう。
顆粒入り
顆粒入りの歯みがき剤は、顆粒が歯や歯肉を傷つける恐れがあります。また十分なうがいができない高齢者は、顆粒が歯肉の中に残り、炎症を起こす原因になるケースも少なくありません。パッケージに顆粒入りと書かれていたり、歯みがき剤を伸ばすと粒が入っていたりする歯みがき剤は避けるようにしましょう。
研磨剤入り
歯を白く見せる効果が期待できる研磨剤入りの歯みがき剤は、知覚過敏症の原因になる恐れがあるため、おすすめできません。また高齢者は加齢により歯肉が退縮し、歯の根が露出していることが多く、研磨剤により歯の根の部分が削れやすくなる可能性があります。どうしても研磨剤入りの歯みがき剤を使用するときは、毎日ではなく数日おきに使うようにしましょう。
発泡剤入り
多くの歯みがき剤には、泡立ちを高めるために発泡剤が含まれています。発泡剤には爽快感を与え、歯みがき剤を口内に拡散させるメリットがありますが、泡立ちを不快に感じる高齢者も少なくありません。
また歯みがきが十分でないにもかかわらず、泡立ちで歯みがきをした気分になることもあります。みがけたつもりで終わらないよう、低発泡の歯みがき剤を選ぶようにしましょう。
スポンジブラシ
スポンジブラシは先端がスポンジになっていて、歯ぐきや頬粘膜と歯の間などに使います。隅々まで清掃できるため、食べかすが口の中に残りやすい、口の奥にある汚れが取れない場合に便利です。
さらに介護の現場ではむし歯予防に加えて、口腔内に保湿ジェルを塗るときや口腔内のマッサージをするときなどに重宝されています。
口腔内を清潔に保つことはむし歯だけでなく、QOLの向上にもつながります。使ったことがない方は、一度使ってみてはいかがでしょう。
まとめ
高齢者のむし歯ケアは、その人にあったアイテムを選ぶことがポイントです。どのようなアイテムがよいか分からないときは、歯科医院に相談するとよいでしょう。
適切なむし歯ケアを実施し、健康的な生活につなげていきましょう。