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健康寿命を延ばすために高齢者が生活に取り入れたい「口腔トレーニング」のすすめ

2022.12

「健康寿命」という言葉を正しく理解していますか?
近年、この「健康寿命」にお口の健康が深く関わっていることが指摘されています。
お口の健康は全身の健康につながるとも言われています。
では、そのお口の健康はどのように維持すればよいのでしょうか。

そこで今回は「健康寿命」を延ばすために、普段の生活の中に取り入れやすい「口腔トレーニング」をご紹介します。

今注目の「健康寿命」とは?

日本は世界でも有数の長寿大国と言われています。
厚生労働省が2022年7月に発表した平均寿命は、男性の平均寿命は 81.47 年、女性の平均寿命は87. 57年となっています。(出典:厚労省:平均寿命(2022)が男性 81.47 年、女性87.57年に
これに対して近年では、年齢だけの「長生き」ではなく、健康で「長生き」することを目標にした「健康寿命」という言葉が着目されています。

「健康寿命」とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。(出典:健康寿命とは何を意味する? – 日本介護予防協会

この健康寿命を延ばすためには、お口の健康がとても大切だと言われています。
健康な身体作りのためには、まずはしっかりと食事をし栄養を摂ることが大切です。
そして食べるためには口腔機能が整っていなければなりません。

念入りな口腔ケアでむし歯や歯周病を防ぐことはもちろんですが、年齢とともに衰えてしまうお口周りの機能を維持するためには、日々のトレーニングが効果的だと言われています。
いつまでも美味しく、自分の口でしっかり噛めて、しっかり飲み込むことができれば健康寿命を延ばすことにつながります。

健康寿命を延ばすために!お家で簡単「口腔トレーニング」

健康でいつまでも自分のお口で美味しく食事をするためには、どうしたらよいでしょうか。
そこで今回は、お家で簡単に誰でも取り入れられるトレーニングをご紹介します。日々の生活の中の数分でよいので、無理なく続けていきましょう。

お口と舌をスムーズに動かすトレーニング

唇やお口周り、舌を動かし筋力をアップします。そうすることでお口の機能が高まり唾液がよく出るようになります。舌がなめらかに動くことで、食べ物をスムーズに飲み込むことができます。

口の体操

  1. 口をすぼめる
  2. 「いー」と口を横に広げる

頬の体操

頬を膨らませた後、すぼめるという行為を数回続ける。

舌の体操

  1. 舌を左の頬の内側に強く押し付ける
  2. 口の中の舌の先を頬の上から指で押さえる
  3. 頬の上から押した指に抵抗するように、舌を頬の内側にゆっくり10回押し付ける
  4. 反対の頬も同じことを続ける

唾液腺マッサージ

  1. 耳下腺のマッサージ
  2. 耳の前(上の奥歯のあたり)に指を当てて、10回ほど円を描くようにマッサージする

  3. 顎下線マッサージ
  4. 顎のラインの内側のくぼみ部分の3、4か所を順番に5回ほど押していく

  5. 舌下腺マッサージ
  6. 顎の中心にある柔らかい部分に両手の親指を揃えて当てて、10回程度上方向にゆっくりと押し当てる

飲み込む力(嚥下機能)を鍛えるトレーニング

飲み込み動作に関連する筋力を鍛え、食事中の「むせ」などの症状改善を目標にします。
今回は一般社団法人 嚥下トレーニング協会の「のどあげ体操」をご紹介します。

①まずは「飲み込み方」を理解しよう

少量のお水を口に含み、お口の中の様子を感じてみる

  • のど仏が上に動く
  • 舌が口蓋にくっつく
  • 口の中がつぶれる
  • 息が止まる
  • 軽く顎を引くと飲みやすい・・・など

力強く飲み込み、口の中の様子の違いを感じてみる

  • 舌を口蓋へ強く当てる
  • 口の中を強くつぶす
  • ごっくん筋(顎二腹筋前腹)が硬くなる
  • のど仏がしっかり上がる

飲み込んで止める(3~5秒程度)、力強く飲み込み、力をいれたまま止めてみる

  • 舌が口蓋を強く押したまま
  • のど仏が上がったまま
  • ごっくん筋が硬くなったまま
  • 息が止まったまま

②飲み込まずにのどを上下に動かす

のどの可動域を広げます。

③舌出し

舌を大きく出し入れし、のどを間接的に動かしてみましょう。
唾液分泌やのどの可動域を広げる効果があります。

④歌

高い声や低い声を出してのどの上下運動を感じてみる。声の質を維持し、のどの体操にもつながります。

⑤あくび

のどを大きく広げることで、のどを下げる力をつけます。声の響きを高めるだけでなく、ごっくん筋のストレッチ効果もあります。

⑥発声・発音練習

まずは大きな声で発声・発音練習をはじめましょう。意識的に腹式呼吸や発声・発音練習を行います。
肺活量、声域、滑舌の維持・向上になり、咳反射にも役立ちます。

「のどあげ体操」動画
嚥下トレーニング協会 公式サイト (enge.or.jp)

まとめ

いかがでしたか?今回は健康寿命を延ばすためのお口周りの筋力トレーニングをご紹介しました。

毎日、無理なく今の生活にプラスできるトレーニングなので、まずはご紹介した中から一つ選んで始めてみてはいかがでしょう。