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要介護者の歯磨きやうがいのやり方は?嫌がるときはどうすればよい?

2023.03

適切な歯磨きやうがいは要介護者の口腔内を清潔にし、健康的な生活を送る手助けをしてくれます。
しかし要介護者の状態によっては、歯磨きやうがいのやり方が分からないと悩む介助者の方も少なくありません。
さらに、歯磨きやうがいを嫌がるという要介護者も多いです。
そこで今回は、介護での歯磨きやうがいのやり方、嫌がるときはどうすればよいのかをご紹介します。

介護での歯磨きの方法

半介助の場合

介護での歯磨きのやり方は、要介護者の日常生活自立度によって変わります。
半介助や準寝たきりである要介護者で、ある程度自分で歯磨きができる場合は、以下の手順で歯磨きのサポートをしてみてください。

  1. 介助者は、要介護者と向き合うような体勢をとります。
  2. 要介護者が座っている場合は、要介護者の両足は床についた状態にしましょう。
  3. 入れ歯の場合は外して置いてください。
  4. 歯ブラシを手に持ち、歯と歯茎の境目を優しく小刻みに磨きます。
  5. 歯の外側は頬を広げ、歯の根元や奥歯と歯茎の間を丁寧に磨いていきます。
  6. 奥歯の溝や歯間は、特に意識してブラッシングをするとよいでしょう。
  7. 歯ブラシで取り切れない汚れは、口腔用スポンジブラシで取り除きましょう。

なお、本人ができる部分はご自分で歯磨きをしてもらうとよいでしょう。
要介護者本人が歯磨きをする意欲を高めるために、持ちやすい歯ブラシを用意するのがおすすめです。
要介護者が好きな色や柄の歯磨きを選ぶと、前向きに歯磨きをしてくれるでしょう。

また、歯磨きが楽しくなるような声がけも大切です。
歯ブラシはなるべく柔らかく、大きさはヘッドが小さいタイプを選ぶと、歯茎を傷つけずに歯磨きができます。
生活のリズムをつけるためにも、可能な限り洗面所で行うのが望ましいです。

全介助の場合

自分でできない全介助の場合は、誤嚥やむせに注意しながら歯磨きを行います。
通常の歯ブラシではなく、吸引器付きの吸引ブラシを使うと便利です。
以下に、吸引器付きの吸引ブラシでのやり方をご紹介します。

  1. 吸引チューブと吸引ブラシをつなげてください。
  2. スイッチがあるタイプはオンにしましょう。
  3. 唾液を吸引しながら歯磨きを行ってください。
  4. 汚れが取り切れない部分には口腔用スポンジブラシを使うとよいでしょう。
  5. 使用後は吸引チューブのお手入れをします。

吸引器付きの吸引ブラシがない場合は、ウェットティッシュやガーゼを使う方法もあります。

  1. 清潔なウェットティッシュやガーゼを指や歯ブラシなどに巻きます。
  2. 要介護者がむせないように気をつけながら、上の歯と頬、上あご、下の歯と奥から手前と順番に丁寧に汚れを取りましょう。
  3. 舌の汚れも綺麗に清拭するのが望ましいです。

丁寧に汚れを取ろうとするあまり、奥まで入れすぎないようにしましょう。
ベットで歯磨きをする場合は、起座位や半座位が歯磨きしやすいです。

介護でのうがいの方法

うがいは誤嚥をまねく恐れがあるため、要介護者の様子をみながら行いましょう。
介護でのうがいは、ブクブクうがいを行うとよいでしょう。
具体的なやり方をご紹介します。

  1. 水を適量含み、右、左と順番に頬を膨らませるようにブクブクとうがいをします。
  2. 次に上の歯の部分、口全体でブクブクさせましょう。

水がない場合は、マウスウォッシュやデンタルリンスの利用もおすすめです。
うがいはできるが起き上がれない要介護者は、汚れないようにうがい受けがあると便利でしょう。
うがいができない場合は無理せず、口腔ケア用のウェットティッシュで拭き取るようにしてください。
歯磨き前後のうがいの代わりに、口腔保湿ジェルを利用する方法もあります。
乾燥を抑えて、口腔を清潔に保てるでしょう。

歯磨きやうがいを嫌がる場合はどうする?

要介護者の中には、歯磨きやうがいを嫌がる方もいらっしゃいます。
どのように向き合うとよいのかご紹介していきます。

コミュニケーションを取る

歯磨きやうがいを苦痛に感じている要介護者も少なくありません。
リラックスできるように声がけをしたり、何が気がかりなのか話し合ったりするとよいでしょう。
もしかすると要介護者の体調が悪い可能性もあります。
無理をせずに、要介護者の気持ちになって口腔ケアを行うと上手くいくようになるかもしれません。
介助者も気負いしすぎず、心穏やかに歯磨きやうがいのサポートを行いましょう。

口の中を観察する

口の中に口内炎や傷がある場合は、歯磨きやうがいが痛くて嫌がるという可能性があります。
要介護者に口を開けてもらい、口腔内を観察するとよいでしょう。
はっきりした理由が分からない、口の中で強い痛みを訴える場合は、ドクターに相談するのもおすすめです。
口の痛みが解決すると、歯磨きやうがいを前向きに考えてくれるかもしれません。

水なしで使える歯磨き剤を使う

年齢を重ねると、歯磨きやうがいが面倒になる人もいます。
要介護者の負担を減らすためにも、水なしで使える歯磨き剤を使う方法もおすすめです。
うがいや吐き出しができない、長い時間、口を開けるのが困難という場合にも有効的でしょう。
水なしで使える歯磨き剤であれば、吸い取りや拭き取りが容易になり、長時間お口を開けるのが難しい方の負担を軽減することにもつながります。

まとめ

介護現場での歯磨きやうがいは、要介護者の様子をみながら行いましょう。
コミュニケーションを取りながら、無理強いをしないことが大切です。
今回ご紹介した方法を参考に、要介護者がご自分でできる部分は自力で行うように促してみてください。
口腔保湿ジェルや水なしで使える歯磨き剤なども使いながら、正しい口腔ケアを目指してみましょう。