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高齢者のお口のケアを助ける「スポンジブラシ」とは? 介護での使用方法も

2022.03

高齢者の口腔内は痛みがあったり、粘膜が弱っていたりとトラブルを抱えているケースが多く見られます。そのため、優しく口腔ケアできるスポンジブラシがおすすめです。

そこで今回はスポンジブラシについて、メリットやデメリット、介護での使い方を紹介します。

スポンジブラシとは?

スポンジブラシは、先端がスポンジになっている棒状のブラシです。口腔内の食べかす、ネバネバした汚れや細かな汚れを優しく除去できます。水で濡らすだけでも使用できますが、歯磨き剤と合わせることでより清潔な口腔内に仕上げることができます。このほか保湿剤の塗布や、口腔内のマッサージなどといったケアにも活用されています。

商品によって形状や大きさ、材質はさまざまなので高齢者の口腔内の状態や好みに合わせて選ぶといいでしょう。

使える場所

  • 歯ぐき
  • 上あご
  • 頬粘膜と歯の間
  • 歯ぐき

スポンジブラシを使用している方の例

  • 口腔粘膜が弱っている
  • 手がうまく使えない
  • 体を起こすことが難しい
  • うがいがうまくできない
  • むせやすい
  • 食べかすや痰などが口の中に残りやすい
  • 保湿剤を塗布したい

スポンジブラシを使用するメリットとデメリット

スポンジブラシのメリットとデメリットを知っておくことで、効果的な口腔ケアができます。

メリット

まずはメリットからみていきましょう。

  • 隅々まで清掃できるため、虫歯や歯周病、口臭が予防できる
  • 口腔内が刺激され、唾液の分泌が促されて乾燥を防止できる
  • 水道のないベッドサイドでも簡単にケアできる
  • 粘膜を傷つけにくい
  • 個包装タイプは使いきりで衛生的
  • 口が大きく開けにくい高齢者もケアできる
  • 歯ブラシや指では届きにくい、口の奥の汚れもかき出しやすい

デメリット

メリットが多いスポンジブラシですが、デメリットもあります。

  • 歯ブラシに似た形状ではあるものの、歯垢は除去できないため、歯は磨けない
  • 使用中に、スポンジが軸から外れる場合があるため、使う前によく確認する必要がある
  • スポンジ部分に汚れや細菌が付着するため、再利用はできない
  • 奥まで入れ過ぎると痛みを感じたり、嘔吐したりする可能性がある

スポンジブラシの選び方

スポンジの硬さ・形・大きさ、軸の材質などパーツ別の特徴や選び方を紹介します。

スポンジの硬さ

きめの細かいスポンジがおすすめです。特に粘膜が弱っている方にはやわらかめのものを選びましょう。ただし、やわらかすぎると汚れが落ちにくい場合がありますので注意が必要です。

スポンジの大きさ

部位や用途に合わせて、いくつかの大きさのスポンジブラシを使い分けるのがおすすめです。大きくお口を開けるのが難しい高齢者には、小さめサイズだとケアしやすいでしょう。

スポンジの形

お口の汚れをからめ取りやすくかき出しやすい、凸凹がある形状がおすすめです。また、保湿ジェルを乗せやすいジェル溝があるタイプ、狭い場所にもスッと入りやすい先細タイプなども。いくつか試して、より使いやすいタイプをみつけてみてください。

棒軸の材質

持ち手部分である棒軸は、主に紙製とプラスチック製の2種類です。

紙軸

ゆっくり曲げると形が変えられ、奥歯の裏側や歯ぐきの汚れに届きます。濡れたりこすれたりしても、ほつれにくいタイプを選びましょう。

プラスチック製

耐水性に優れています。弾力があるため力を加えやすく、マッサージにも使えます。透明で口腔内が見やすいタイプも市販されています。

材質以外にも、軸の長さや形もケアのしやすさを左右します。奥まで届く長さがあるかなどもチェックするといいかもしれません。このほか介護者の手にフィットしやすい六角形のものや、要介護者の口当たりが優しい円形タイプもあります。

介護でのスポンジブラシの使い方

ここからは、介護シーンでのスポンジブラシの使い方を紹介します。

  1. スポンジブラシに、水またはマウスウオッシュを含ませた後、誤嚥(ごえん)しないようによく絞ります。
  2. お口を閉じてもらい、頬の粘膜を清掃します。スポンジをくるくると回転させながら、頬の内側をのばすイメージで奥から手前に拭き取るように動かします。
  3. 歯ぐきの外・内側、舌の汚れを拭き取ります。狭いところも、先端の向きを変えると汚れがよく落ちます。
  4. 口腔ケアの最後に口腔保湿ジェルを使用する場合は、スポンジの溝にジェルを塗布して使用します。汚れが付いたブラシは、水を入れたブラシ洗浄用コップで洗い、きれいにしたら、再びきれいな水分を含ませてよく絞ってから使う、を繰り返します。

スポンジブラシはストレッチにも効果的

スポンジブラシは舌や頬、くちびるのストレッチにも有効です。汚れを取りながらストレッチも同時に行えば、筋肉が刺激され、口腔機能低下のリスクも軽減できます。

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ストレッチ方法

スポンジブラシで口腔内の筋肉を直接ストレッチする方法をご紹介します。ストレッチを始める前に、うがいまたは保湿剤で口腔内を潤しておきましょう。


  1. お口のまわりや頬の筋肉を刺激します。左右それぞれの頬が膨らむように、スポンジブラシで内側から外に向かってのばしましょう。その後、ゆっくり上下に5~6回動かします。
  2. くちびる
    飲み込む運動や唾液の分泌を促す効果が期待できます。上下左右のくちびると歯ぐきの間にスポンジブラシを入れ、奥から手前に向かって3~5回動かします。
  3. 上あご
    上あごは細菌がたまりやすいので、ケア&ストレッチが欠かせません。上あごにスポンジブラシを当て、優しくなでるように奥から手前に3~5回動かします。
  4. 口腔底・下あごの舌の下に当たる部分
    口腔底にスポンジブラシを当て、優しく奥から手前に3~5回動かします。

  5. 舌の筋肉を強化できるため、唾液の分泌を促進したり、口呼吸が改善したりと嬉しい効果が期待できます。まず、スポンジブラシを舌の上に当て、ゆっくり下方向に5秒押し、3回繰り返します。

まとめ

スポンジブラシは粘膜や舌を優しくケアできるグッズです。意識的にストレッチを取り入れれば、口腔機能アップ効果も期待できて一石二鳥。高齢者の状態や好みに合ったスポンジブラシで、口腔ケアをより効果的に、より快適に行いましょう。

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