お口の潤いをサポートしてくれる製品タイプまとめ〜固形からジェル状、食品から口腔化粧品まで〜
2022.05
口腔ケアの中でも「保湿」はとても重要です。お口が潤っていることで、介助者のケアのしやすさがアップするのはもちろん、痛みや出血などのトラブルも未然に防ぐことができます。お口が乾燥しがちな方は、口腔保湿剤を活用することで潤いのある口腔環境を手に入れることができるかもしれません。
ただし、お口の保湿剤と一言で言っても、形は固形からジェル状まで、ジャンルはサポート食品から口腔化粧品まで様々。そこで今回は、お口の潤いをサポートしてくれる製品タイプと、それぞれのメリットやデメリットについて詳しく紹介します。お口の乾燥でお悩みの方は、「自分の症状や生活習慣にマッチしそうなものはどれだろう?」とぜひ参考にしてみて下さい。
お口の潤いが大切な理由とは?
お口が乾燥する原因は、加齢や服薬などによる唾液の減少です。お口の乾燥は、粘膜や口まわりの皮膚がひび割れたり、虫歯・歯周病が進行したりするほか、口臭がきつくなる、食べる・話すといった口腔機能の低下など、多くの悪影響をもたらします。
乾燥したお口の中では汚れが除きにくく、介助者の負担が増えてしまいます。一方、要介護者自身も、乾燥によって粘膜や歯ぐきが傷つきやすくなっているため歯磨きをすると出血や痛みを伴うように。そういった理由からお口の乾燥を放っておくと要介護者はだんだんと「口腔ケアの時間が苦痛」と感じるようになり、介助者への協力が得られなくなってしまうというケースも多く、ケアを怠ったお口の中は、さらに悪化するといった悪循環に陥ってしまうのです。
お口を潤す効果とは?
唾液量が減ってしまった乾いたお口には、こまめな水分補給やうがいが推奨されています。しかし、水分補給やうがいは保湿力の持続性は低く、自分でケアが難しい要介護者や高齢者にはハードルが高いかもしれません。
そんなときに乾燥ケアをサポートしてくれるのがお口に優しく潤いを与えてくれる「口腔保湿剤」です。味・粘度・使用感など様々なタイプがあるので口腔内の状態や好み、さらに利用シーンに合わせて使い分けることもできます。
製品ごとの含有成分によって効果が多少異なりますが、保湿効果のほかにも、口の中を爽やかにキープしてくれる効果などを期待することができます
含まれている成分の例
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
- ザクロエキス
- キシリトール
- 緑茶エキス など
刺激に弱い方に配慮した、無着色・無香料・ノンアルコールのものもあります。
口腔保湿剤のタイプとメリットやデメリット
ここからは、お口を潤してくれる製品のタイプを紹介します。それぞれのメリットやデメリット、おすすめのシーンもまとめました。
①ジェル
ジェルタイプは、塗布したい場所にしっかりとどまってくれる適度な粘度があります。長時間こまめに保湿できない時や就寝前の使用がおすすめです。
メリット |
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デメリット |
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②スプレー・ミスト
スプレーやミストタイプは、素早く保湿剤を口腔内に広げることができます。また持ち運びしやすい容器であることが多いため、外出時や乾燥を感じた時にサッと使えて便利。ノズルがあるタイプなら、口まわりを汚さずに保湿できます。
メリット |
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デメリット |
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③マウスリンス・マウスウォッシュ(洗口液)
うがいができる方なら、保湿成分入りのマウスリンス・マウスウォッシュタイプの使用も可能です。薄めて使う希釈タイプとそのまま使えるタイプがあります。
メリット |
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デメリット |
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④お口に貼るシート
上あごに貼り付けるシートタイプの保湿剤です。唾液でゆっくり溶けていき、お口の中を潤し続けてくれます。
メリット |
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デメリット |
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⑤ウェットティッシュ
保湿剤が配合されたやわらかいウェットティッシュを使うことで、毎食後の口腔ケアのついでに保湿も行えます。
メリット |
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デメリット |
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⑥メディカルタブレットやキャンディなどの食品
お菓子感覚で、お口の保湿ケアができるのが食品タイプ。タブレットやキャンディ、グミと形状はさまざまで、味もバリエーション豊富です。
メリット |
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デメリット |
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まとめ
お口の乾燥の程度や場所、そして使うシーンや好みは人それぞれです。色々なタイプの製品を試してみたり、併用してみたりすることで、介助者、要介護者の双方にピッタリと合うお気に入りの口腔保湿剤をみつけてみてください。上手に口腔内の潤いをキープして、口腔環境の向上を目指しましょう。