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うがいができない要介護者への歯磨き方法をご紹介! 喉の奥に汚れを落とし込まないためのポイントとは

2022.11

高齢者は唾液量が少なくなったり、飲み込むなどの力が弱くなったりと、お口の機能が加齢とともに低下していきます。低下した口腔機能では、歯磨きで行う「うがい」もできなくなる可能性があります。そのほか、寝たきりの要介助者の場合も起き上がることができないので、うがいや吐き出しが難しくなります。

ただ、お口の中を清潔に保つためにも歯磨きは必要不可欠。そこで今回は、うがいができなくなった人の歯磨き方法とその注意点をご紹介します。専門の用具や、水でゆすぐ必要のない歯磨き剤などもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

うがいができない人の口腔ケアで注意するべきポイント

うがいができないということは、お口周りの機能がかなり低下してしまっている状態だと考えられます。そのため、歯磨きの最中に一番気をつけたいのが誤嚥させてしまうことです。通常、気管に液体や固体といった異物が入った場合は、反射的にむせるなどして身体が異物を押し戻そうとします。しかし、高齢者の場合は口腔機能が衰えてしまっており、気管の異物を押し戻すという機能が正常に働かないこともしばしば。寝たきりの人を歯磨きするときには、特に配慮が必要です。

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歯磨き道具を用意する

高齢者の歯磨きは、口腔内が乾燥し、デリケートな状態になっていたり、お口が開けにくい場合があります。要介助者の状態をよく観察して、適切な用具を使いましょう。

歯ブラシ

乾燥してデリケートになっているので、柔らかい歯ブラシがおすすめです。ただし、介護を受ける人の好みの硬さなどもあるので、コミュニケーションを取りながら選ぶことをおすすめします。

また寝たきりの人に対応できるよう、吸引器のついたタイプもあります。

吸引器

寝たきりの人の歯磨きで誤嚥を防ぐために使用します。中には洗浄をしやすいよう、注水できるものもあります。

スポンジブラシ

うがいができない人の歯磨き前には汚れを拭き取ったり、口腔内を湿らせたりするために、歯磨き後には歯磨き剤を拭き取るために使用します。

歯間ブラシ

歯の隙間などをきれいにするためにも、使用することをおすすめします。

舌ブラシ

歯だけでなく、粘膜にもたくさんの汚れがついています。特に舌は食事のカスが残って、口臭の原因にもなるので舌ブラシを使ってケアすることをおすすめします。

歯磨き剤

うがいができない人用に、ジェル状の歯磨き剤などが販売されています。拭い取りやすいだけでなく、吸引器を使用した場合、吸い取りやすい仕様になっているものもあります。

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うがいができない人や寝たきりの人の歯磨き方法

①身体をできる限り起こす

歯磨きを始める前に、誤嚥を防ぐため、無理のない範囲で頭の高さを起こして、なるべく座っている状態に近づけます。もしも身体を起こせない場合は、首を横に向けてください。

②口の中を潤し、汚れを拭き取る

スポンジブラシなどを湿らせて、しっかりと絞った後、お口の奥から手前に引き出すようにして汚れを拭き取ります。このときに、乾燥がひどい方だと、口腔内にひび割れができており、しみてしまうことがあるので、よく観察しながら行いましょう。もしも乾燥して口腔ケアを嫌がる場合は、一度保湿ジェルなどを薄く塗り広げるなどして潤いをもたらすのもいいかもしれません。

③歯磨きを行う

拭き取りができる歯磨き剤で、歯のある箇所は歯ブラシで小刻みに磨いていきます。歯の間にフィットさせるようなイメージで優しく歯に毛先を当ててください。見えない箇所に汚れはたまりやすいので、歯間ブラシなども一緒に使いましょう。

上顎や舌、頬などの粘膜の部分もスポンジブラシや舌ブラシなどできれいにしていきます。これらの刺激は口腔内のマッサージにも繋がります。

この際、特に粘膜、歯茎部分は乾燥や、歯周病などで痛みを伴う場合があります。介護を受けている人の表情などを見ながらゆっくり行わなければいけません。

④歯磨き剤を拭き取る

歯磨き剤をスポンジブラシや、指に巻いたガーゼなどで拭き取ります。このとき、誤嚥性肺炎を防ぐためにも拭き取り残しがないよう注意が必要です。

⑤保湿ケアを行う

高齢者は唾液量が少なくなっているため、歯磨き後などには保湿ケアが必要です。保湿ジェルなどを使って、再び口腔内が乾燥しないよう、アフターケアを行ってください。乾燥を防ぐことで、雑菌の増殖も予防します。

まとめ

寝たきりの方だと、誤嚥の心配もあり歯磨き介助を行うのもなかなか大変な作業です。中には認知症などでコミュニケーションが難しい場合もあるかと思います。今回ご紹介した方法を毎回丁寧にやるのが理想ではありますが、一番大切なのは毎日欠かさずケアをするということです。「今日は下顎だけ」「今日はスポンジブラシの拭き取りだけ」というように、工夫しながら対応するのもいいかもしれません。このほか、歯科医師、歯科衛生士などが口腔ケアを行う訪問歯科などの利用もおすすめです。

様々なサービスや道具を利用しながら、継続的に取り組んでいきましょう。